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2026年上期の不動産取引は約3.5兆円 大口市場の活況を読む
公開日:2026年10月27日|分析基準日:2026年10月26日
10月23日公表日本不動産研究所の取引市場調査から
日本不動産研究所は10月23日、「不動産取引市場調査(2026年上期)」を公表しました。2026年1〜6月の取引規模は約3.5兆円。2024年の約7.4兆円、2025年の約7.7兆円という年間の高い取引水準に続き、2026年上期もオフィスやレジデンスの取引が活発だったとしています。今回の発表は、大口の投資・事業用不動産で、どの用途や買い手が市場を支えているかを確認する材料です。
公表データ|オフィスとレジデンスの取引が活発
同研究所は、2024年と2025年の年間取引額が2年連続で過去最高を更新したと整理しています。2026年上期については、特にオフィスとレジデンスで活発な取引が見られました。また、2025年以降はJ-REIT、私募REIT、国内私募ファンド、国内機関投資家、海外投資家が買い越し主体として存在感を示しています。「金利が上がれば買い手が一斉にいなくなる」と単純化するのではなく、用途や投資家ごとの動きを見る必要があります。ただし、これは今回の調査に含まれる市場についての動きです。
公表データ|調査が捉えている取引の範囲
調査は、主に都市圏の法人やJ-REIT、証券化関係者などが関与する投資・事業用不動産を対象に、公表取引金額や私募REITの推計取引量を集計しています。非公表の個人投資家によるアパート・マンション等や、個人の居住用取引は含まれていません。資料に示される約4.1万件は、2001年上期から2026年上期まで蓄積したデータベースの事例数であり、直近半年の取引件数ではありません。金額の大きさだけでなく、この調査範囲を押さえることが重要です。
公表データ|半年間の3.5兆円と年間実績を区別する
今回の約3.5兆円は1〜6月の上期実績です。2025年の約7.7兆円は1年間の数字なので、そのまま増減率を計算して比較することはできません。発表では年間ベースで7兆円規模の水準と評価されていますが、2026年通年の確定実績ではありません。上期を単純に2倍にした数字を、下期の取引が確定したかのように紹介したり、今後の価格上昇を保証する材料にしたりすることは避けたいところです。
不動産取引額|期間を分けて読む
主に都市圏の投資・事業用不動産
通年実績(1〜12月)
棒の左端は0兆円、背景の右端は8兆円。
別枠:2026年上期(1〜6月)
約3.5兆円
半期のため、通年と単純比較しません。
出典:日本不動産研究所・不動産取引市場調査(2026年上期)。公表資料に基づきBAC作成。
BACの見方|個人の収益物件とは一段分けて読む
大口市場で買い手の資金が動いていることは重要な情報です。一方、その活況が横浜・川崎の個人所有アパートにも同じように及ぶとは限りません。取得する買い手、融資の条件、物件規模や運営体制が異なるためです。今回の調査は投資資金の動向を見る材料とし、個別の売却では賃料、修繕負担、買い手候補とその融資条件を重ねて考えます。「市場全体で取引額が大きいから、この物件もすぐ売れる」と結び付けないことが大切です。
株式会社Birth Asset Consultingでは、大口市場の動向と個別物件の売却可能性を分けて、検討を進めます。